探してる





明日と言う日は何所へ向かっているのだろうか。
流れ行く、雲が辿り着く場所は?

未だ叶わぬ会合は、何を意味するのだろう。




その時、光が駆け抜けた。
闇の中、閃光が走り。
互いの刃が犇めき合う。
突きつけたクナイの、握る手に力を込めて。気が付けば、口漬けを交わさんばかりの距離に。
にやり、と口端が自然上がったーーーー




「御意」
下された命を遂行するために、草木も・・幼子も大人も眠る丑三つ時。
山里を駆け抜ける影があり。追う影があった。
木の葉の里より東北にあたる山林で。
密やかなる戦いが、繰り広げ荒れていた。

がきん!カカカカカ!!!ザッ!!!!!

クナイが閃き、手裏剣が降り注ぎ、大地に砂埃を巻上げ。

ざわざわざわ・・・

激しい戦いに木々は悲鳴の変わりにその枝枝を揺らす。

二つの影が、静かに。
けれど激しくお互い攻撃の手を緩める事はなく、しかし忍術を使用することはないのが不思議な。
そんな黒き衣纏う忍び同士の戦いは、闇に融けるようにけれど融ける事のない重圧をもって彼らが其処にいることを知らしめる。
無言の攻防は、ただただ息を呑むばかり。



シュッ!・・・ガッキィィィン!!!!!!!!



閃光が暗闇に覆われた森の中に走った。
互いに持つ得物はクナイ。
ぎりぎりの力の均衡が、今、お互いの顔を認識できるほどの距離に留めて。
ぐぐぐ、と気を抜けば目の前にある凶刃が、遠慮なく首を掻っ切ってくれるだろう。
その事に。
にっと、笑みを浮かべたのは果たしてどちらだったのか。



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