その日、木の葉の里は新たなる門出を迎えていた。
「おめでとう!5代目!!」
「まっさかお前がなるとはね〜」
「面倒くさがりが、大丈夫なのー?」
次々に昔からの仲間が笑顔で祝いの言葉とからかいの言葉を投げかける。里の人々も若くして5代目に就任した若者に祝福の言葉を口にし新たに火影となった青年は少しばかり――幼い頃からの彼の態度に比べれば格段に良くなって入るが――気だるそうに、けれど力強く応える。
おめでとうシカマル!いや、5代目火影様―――――
めでたやめでた、と里中がお祝いムードの中、かつて少年だった青年は笑う。
漸く、この時が来たと。
あの日、壊れた心を誰に知られることもなく。
愚かなる里の人間誰にも、ただの一人も知る事なく。
たった一つの望みを叶える為に。
ここまで来た、と5代目火影は嗤う。
待ち望んだ日がついに来た、と。
さあ、失った半身を取り戻そうか。
この日、木の葉の里は全ての人々に笑みを齎した日。
再び、里の運命の歯車が動き出した―――― 。