ごーん
ごーん・・・
鐘が108つの煩悩を打ち消す為に鳴らされようとも。
人の煩悩は108つなんかじゃとても納まりきれません。
ぬくぬくと温かいコタツで丸まり、幸せそうに台に顔を預けて涎をたらすそんな様ですら。
隣で見ていられるこの幸せに、嗚呼。
ごーん
ごーん・・・
煩悩尽きる事無く。
「ん〜、もう食えない・・ってばよ・・・むにゃ・・・」
ほかほかしたピンク色のほっぺに触れれば柔らかいと知っている金の髪。
幸せそうに着ているふかふかした半纏の衿に擦り寄る姿に見ているほうは微笑ましくて。
シカマルは煩悩を祓う鐘なんて何のその。
寝ているナルトに手を出すべきか否か。
はたまた寝ているところに悪戯を仕掛けるか否か。
いやいや、一人で妄想に耽るか。
それは本人が目の前にいるのに寂しいだろ、なんて思いながら。
あけましておめでとうを合図に姫始めしたろうかなんて。
ごーん
ごーん・・・・
打たれる鐘もあとわずか。
ほかほか温かな時間を満喫するナルトと、108以上の煩悩を素敵れないシカマルの。
幸せな年越しは幸せなまま。
新年を迎えるのであった。