貴方の瞳にも同じ孤独の光を見た。
幼い頃から感じていたソレを、憧れている…今は愛しき恋人の中にも、もしかしたら自身よりもずっと深いかもしれない孤独を―――
あれはいつだったか。一緒にいれるようになって、暫くしてからの事だ。セフィロスのプライベートマンションで何時も通り二人、夕食を済ませてそのまま、リビングで寛いでいた時。
いつの間にか二人でいる事に慣れたそんな時に、ふと見やった横顔に浮かんでいた。
何気ない休日の、けれど二人にとっては久方振りに過ごす時間だったから。それはもしかしたら一瞬の事だったのかもしれないけれど、目にした瞬間。感情に名前が付く前にはもう、その横顔が…胸にちくりと突き刺さって。
「…どうした」
いつも穏やかな、抑揚のない声に少しだけ驚きを含んだ声が、その原因となったものに尋ねた。
「…たまには」
まるで小さな猫のようだと笑いながら英雄を驚かせるという大技をしてのけた子猫…もとい、抱き付いて来たクラウドの髪を梳けば、大きなその手にうっとりと目を細め、その逞しい胸にすり寄せた顔を埋める。
―ああ、このまま貴方の孤独を埋められたら良いのに。
埒もない事を思って腰に回した腕に力を込めた。
「…そうだな」
髪を梳く優しい手と同じくらい優しい声がそっと、珍しくも全身で甘えてくる少年を抱き締めた。
英雄と呼ばれる青年が、密やかな気配にふと窓の外を見やれば。
ふわふわとまるで白き華の如く六花がいつの間にか窓辺に降り積もっていた。
降りしきる雪が大地を白一色に染めて埋めていく様に貴方の孤独を俺という存在で埋められたら良かったのに。
イベント事には疎い二人の、初めて過ごした゛クリスマス゛。
この胸にはただ、貴方への愛しさと貴方からの優しさだけが降り積もった―――――